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昔の思い出8

[424]  もね  2008-05-03投稿
きっと駄々をこねたのだと思う。
「綺麗なお花だねぇ」
「綺麗だなぁ。あれって取れないよね?」
気が付くと叔父は荒れ果てて肩程の高さまで草の茂った畑の中、花を目指して泳ぐ様に掻き分けて進んで行った。
私はハラハラしながら砂利道に立っていた。
叔父の手から渡された花は驚く程大きく、私の背丈を超えていた。それでも嬉しくて私はそれをぎゅっと抱えた。
叔父の額には汗が落ち、涼みに行った筈がすっかり汗だくで帰る事になった。
叔父といると私は、自然以外何も無い生活の中でもお姫様の様に思えた。
そんな叔父が大人同士になると殴り合いをするのだから、大人は解らない。男の人は解らない。とも内心思っていた。

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