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夕焼けの様な恋

[145]  和希  2008-05-05投稿
小学校三年生の夏休みの事だった。
僕は夏休みの課題である、学校のプールに通うのが凄く嫌だった。
泳げない訳ではないが、あまり上手く泳げなかったからだ。
いつものように隅でプカプカと浮いていると、プールの中央で水しぶきをたてながら遊んでいる女の子の声が聞こえてきた。
これが、佳代との最初の出逢いである。
隣のクラスだった佳代は、背が小さく髪の毛は首筋までの長さで、綺麗というよりはむしろ、可愛い女の子だった。
以来、僕は佳代の存在を意識するようになった。
何か理由をつけては隣のクラスへ行き、横目で佳代の顔を見て胸がいっぱいになる毎日で、学校へは佳代に逢う為に行くような感じだった。
しかし、佳代とは会話もした事が無く、佳代もまた隣のクラスの僕の存在すら知らないのが現状だった。

小学校五年生になり、僕は佳代と一緒のクラスになった。
同じクラスになった事で、佳代の素顔を見る機会が増え、佳代の事が好きになっていく自分がいた事は、うっすらと覚えている。
喋りかたや笑い声、時折見せる悲しい目...その全てが僕には新鮮でとても幸せな気分にさせてくれた。
同時に佳代は、同じクラスの『金田』という男の子に好意をもっているという事を知り、幼いながらに落ち込んだことも覚えている。
金田君はというと、佳代の事を好きという訳でもなく、いわゆる佳代の片思いだった。
金田君と僕は、特に仲がいい訳ではないが、いつも僕は金田君のそばにいた。
その理由は、金田の近くに佳代が近寄ってくるからだ。
僕は幼いながらに、好きという感情を心の奥にしまい込み、金田君を追いかけている佳代と話すのが小さな幸せで、同時に虚しさも感じていた。
『金田君がうらやましい』
僕はいつも思っていた。

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