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武士になりたくて

[227]  けい  2008-05-05投稿
ある真夏の暑い日、村から十里ほど離れた場所で戦が始まった。
小競り合いは何回かあったが、今回はかなり大きな戦で朝から始まった戦は昼頃になると烈しさを増し村の近くまで迫って来た。
村の人々はあるいは荷車に家財道具を載せ逃げる者、あるいは遠くの親戚を頼りに逃げる者、皆思い思いに逃げて行く。中には村に残る者がいたが僅かに残っているだけだった。
そこに戦と聞き朝から目を輝かす一人の少年がいた。名を虎之助という。年は十二才の活発な男の子だ。
「オラ、一目でいいから戦ちゅうもんを見てみてえだ!」
「お虎は、何をこんな時に言うてる!」
側で握り飯を作っていた母のとねが怒りながら言う。
「戦は恐ろしいもんだ、そったらこと言うもんじゃねぇ」
さらに母とねは握り飯を笹の葉で包みながら虎之助に言った。虎之助は母の言葉を聞いてるのか、聞いてないのか、弟小一郎を見ていた。虎之助の横には六つ年下の小一郎がいた。
小一郎は虎之助の腕を掴みながら恐怖で震えている。
「小一郎は臆病者じゃの〜、男は強くなくては駄目じゃ!弱いとてて様の様になるぞ!」
その言葉を聞いて母とねが虎之助の頬を何も言わずに叩いた。

感想

  • 9815: 歴史小説珍しい〜?ファイトです? [2011-01-16]
  • 9821: ありがとうございます。頑張ります! [2011-01-16]

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