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緑の丘 (3)

[395]  レオン  2008-05-10投稿
久しぶりに恵斗と休みが重なったというのに、恵斗はそそくさと、仕事先のBarの仲間達と遊びに出てしまった。

こうゆうのには、もう慣れっこだから、私は私の休日を楽しむ事にした。

窓を開け、心地いい風の吹き込む窓辺で、私は誰に気兼ねする事もなく、床に寝転び空をただ眺めていた。


ブゥーブゥーブゥーブゥー


携帯のバイブ音が鳴り響いた。

地元の友達の友紀子からだ。

友紀子:「もしもし!!千恵美元気!?あのね、あのね、ビッグニュースがあるの…」

やや興奮気味の友紀子のビッグニュースとは、何だか大体は検討が付く。

千恵美:「友紀子、ニュースって結婚系でしょ?」

友紀子:「えっ?知ってたのぉ〜」

千恵美:「知らないけど…。友紀子のビッグニュースって対外は結婚ネタだから…。」

友紀子:「じゃあ、誰が結婚すると思う?」

千恵美:「え〜?分かんないよ…。」

友紀子:「ビックリしないでね!!晃司先輩なの!!」

千恵美:「…そうなんだ。」


晃司先輩。
私はその名前を忘れられずにいた。


私の人生において大切な存在だった人。

本気で好きだった人。

今も何処かでその人の影を探していた。


友紀子:「千恵美?ねぇ聞いてる?」

千恵美:「う…うん。相手は?」
友紀子:「それが、晃司先輩の勤め先の社長の娘らしいよ!!でさぁ………」


ショックだった。

もう8年も前に終わったのに、もう関係ないのに、それに私には同棲している彼氏がいるのに…

何でこんなに心が痛いんだろう?


友紀子:「そ〜言えばさぁ、確か千恵美って高校生の時晃司先輩と付き合ってたっけ?」
千恵美:「うん…。2年まで。もうだいぶ昔の話しだね…。」

友紀子:「だよね!!ねぇどうよ〜?元カレが結婚するって聞いて。やっぱムカつく?」

千恵美:「やだ!!んな訳ないじゃん!!私のは大昔の話しだもん。何にも思わないよ〜」


嘘だった。

本当は少しムカついた。

私はどこかで、何か変な期待をしていたのかもしれない…。

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