バスターズ!・第二十八話「悲しみの慟哭」
母は龍一に何度も質問したが、龍一は何も答えなかった。そして半ばあきらめかけたとき、龍一はやっと口を開いた。
「母さん・・・。」
カラカラに乾いた口で言っているせいか、その声はどこか淋しく聞こえた。
「・・・何?」
「今日は帰ってくれないか?」
答えるべき事に答えていないのに、龍一は明らかに理不尽なことを言った。
「・・・わかったわ。母さん、今日は帰るから・・」理不尽であるにもかかわらず、母は快く承諾した。龍一の気持ちを察したのだろうか。
「必要そうな物はこのバックに入ってるから・・・あと、明日刑事さんが事情聴取に来るって言ってたから、せめてその時には何かしゃべるのよ・・・」
そう言うと母は大きなバックをベッドの横に置いて、病室から静かに去っていった。
音一つない空間で、龍一は何となく窓の外を見た。あれからどれくらい寝ていたのだろうか・・・空は夕焼け色だった。
不意に目が熱くなり、枯れていた涙はまた流れ始めた。
(アキラ・・・)
アキラの事ばかりが思い出される。
(なぜ・・・俺は・・・あの時何もできなかった・・・?・・・どうしてアキラを守れなかった・・・?)龍一は弱い自分を強く呪った。そして呪った分だけ涙した。
点滴から送られる水分は、龍一の体を経由して、ひたすらふとんの上に流れ落ちた。
「母さん・・・。」
カラカラに乾いた口で言っているせいか、その声はどこか淋しく聞こえた。
「・・・何?」
「今日は帰ってくれないか?」
答えるべき事に答えていないのに、龍一は明らかに理不尽なことを言った。
「・・・わかったわ。母さん、今日は帰るから・・」理不尽であるにもかかわらず、母は快く承諾した。龍一の気持ちを察したのだろうか。
「必要そうな物はこのバックに入ってるから・・・あと、明日刑事さんが事情聴取に来るって言ってたから、せめてその時には何かしゃべるのよ・・・」
そう言うと母は大きなバックをベッドの横に置いて、病室から静かに去っていった。
音一つない空間で、龍一は何となく窓の外を見た。あれからどれくらい寝ていたのだろうか・・・空は夕焼け色だった。
不意に目が熱くなり、枯れていた涙はまた流れ始めた。
(アキラ・・・)
アキラの事ばかりが思い出される。
(なぜ・・・俺は・・・あの時何もできなかった・・・?・・・どうしてアキラを守れなかった・・・?)龍一は弱い自分を強く呪った。そして呪った分だけ涙した。
点滴から送られる水分は、龍一の体を経由して、ひたすらふとんの上に流れ落ちた。
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