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遺書−私と彼女という現象−第十五話− 

[269]  あきは  2008-05-11投稿
「『A』…私に…どうしてほしいの…?」
その言葉に『A』は不思議そうに瞳が閃き、狂気は僅かに揺らいだ。
まるで私が何を言っているのか分からなかったかのように。

「『A』?」

「あなた、気がついてないのね?」

暫くして『A』は呟くように囁いた。
「?……何の事?」
聞き返す私に『A』は寂しそうに微笑んで、静かに私を見つめた。

「ごめんね、こんな事になって……。」
「何で謝るの?謝るより、もっと違うことが…」

『A』はただ私を見つめていた。いや、私ではないのかもしれない。ふと、そう思った瞬間、目の眩むような感覚に私は包まれ、意識を失った。

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