携帯小説!(PC版)

カミサマ

[379]  アイ  2008-05-11投稿
すべてを失ったわけじゃないのなら、もう何も失わせないでください。

これ以上悲しい思いをさせないでください。

私が何をしたというのですか。

温かいものに触れさせて、引き離すのがご趣味なのですか。

一人に慣れたこの体をイジメるのはなぜですか。

なぜ愛をくださったのですか。

生きていけなくするためですか。

もう一人に戻れなくするためですか。

――なぜいつもいつも、最後の最後に、別れを用意するのです?

悲しみに心を押し潰された人間が、どうなるか知っていますか?

私は淋しいです。

私はとにかく淋しいのです。

みんなみんな大好きでした。

こんな私を受け止めてくれたみんなでした。愛と優しさをくれたみんなでした。

心地よい風が、いつも胸の奥で吹いているようでした。

嬉しかった。

幸せだった。


――どうして。


別れはつらいです。

痛いです。


カミサマ。

私の中におはしますカミサマ。

どうか。

私の心を助けてください。

また一人に戻っても、平気なように。

平然と生きられるようにしてください。

カミサマ。

胸の傷は塞がなくていいです。

この傷は幸せの残骸だから。

みんなのことを大好きであった分だけ、

私の中で痛むのです。


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