一週間 四章 牛嶋 2
祐輔は大林の机を探した。すると、奥のスチール棚の隙間からドアが見えた。
ドアを開けると、本棚に本が整然と並んでいて、窓際には木製の立派な机と革張りの椅子があった。
「大林教授の…部屋だよな」
祐輔は机に駆け寄り、置かれてあったデスクトップのパソコンを起動させた。
「データがすべて消去されてる…教授が消したのか、それとも…」
祐輔は抱えていたノートパソコンを隣りに置いてコードを繋ぎ、キーボードを打ち始めた。
「パソコン持ってきて正解だった。でもまさか、ハードディスクまで覗き見することになるとは…」
いったんハードディスクに記録されたデータは消去出来ない。祐輔は仕事の技術を活かして、手慣れた早さで解析を済ませてデータのチェックに取り掛かった。
「これと言った手掛かりは無しか…ん?!日記だ!」
ストロークさせながら読んでいた祐輔の手が、大林教授の失踪する前日の日付で止まった。
(悠子くんのお陰で、歌詞が刻み込まれているという石碑が見つかりそうだ。やはり将軍は実在したんだ。しかし、石嶺くんがあんな死に方をした今、これ以上悠子くんを危険に晒す訳にはいかない。この研究から身を引かせるべきか。)
「教授は歌ではなく、証拠となる石碑を探してたんだ。しかし、悠子とは毎日会ってたからロシアになんて行けるわけないし…日本で何らかの手掛かりをみつけたのか…それに、石嶺って誰だ」
その時だった。コンコン!研究室のドアをノックする音が聞こえてきたので、祐輔は慌てて教授の部屋を飛び出した。
「教授!…すみません。分からない所があって、教えてもらえ…」
すたすたと入って来たのは女子生徒だった。
「教授ならいないよ…俺も教授に用があって来たんだけどね」
「そうですか…ドアが少し開いていたので、てっきり戻られたのかと思って…」
「ああ、それなら牛嶋さんだよ。出ていく時、ちゃんと閉めなかったんだね」
「へえ〜、牛嶋助教授が来てたんですかぁ」
「えっ!助教授?」
ドアを開けると、本棚に本が整然と並んでいて、窓際には木製の立派な机と革張りの椅子があった。
「大林教授の…部屋だよな」
祐輔は机に駆け寄り、置かれてあったデスクトップのパソコンを起動させた。
「データがすべて消去されてる…教授が消したのか、それとも…」
祐輔は抱えていたノートパソコンを隣りに置いてコードを繋ぎ、キーボードを打ち始めた。
「パソコン持ってきて正解だった。でもまさか、ハードディスクまで覗き見することになるとは…」
いったんハードディスクに記録されたデータは消去出来ない。祐輔は仕事の技術を活かして、手慣れた早さで解析を済ませてデータのチェックに取り掛かった。
「これと言った手掛かりは無しか…ん?!日記だ!」
ストロークさせながら読んでいた祐輔の手が、大林教授の失踪する前日の日付で止まった。
(悠子くんのお陰で、歌詞が刻み込まれているという石碑が見つかりそうだ。やはり将軍は実在したんだ。しかし、石嶺くんがあんな死に方をした今、これ以上悠子くんを危険に晒す訳にはいかない。この研究から身を引かせるべきか。)
「教授は歌ではなく、証拠となる石碑を探してたんだ。しかし、悠子とは毎日会ってたからロシアになんて行けるわけないし…日本で何らかの手掛かりをみつけたのか…それに、石嶺って誰だ」
その時だった。コンコン!研究室のドアをノックする音が聞こえてきたので、祐輔は慌てて教授の部屋を飛び出した。
「教授!…すみません。分からない所があって、教えてもらえ…」
すたすたと入って来たのは女子生徒だった。
「教授ならいないよ…俺も教授に用があって来たんだけどね」
「そうですか…ドアが少し開いていたので、てっきり戻られたのかと思って…」
「ああ、それなら牛嶋さんだよ。出ていく時、ちゃんと閉めなかったんだね」
「へえ〜、牛嶋助教授が来てたんですかぁ」
「えっ!助教授?」
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