カメラと黒髪 #14
砂粒をサラサラこぼすような微かな雨音で希美は目を覚ました。
ある程度身だしなみを整え、アキが寝ているのであろう隣室への襖を開けると、既にアキは起床しており、憂鬱そうな目で外を眺めていた。
窓際の椅子に膝を抱いて座っていた。
「天気のこと、気にしてなかったんですね」
希美の声にアキは少し驚いたように反応した。
「希美、お早う」
「お早うございます」
「参ったよ…フラッシュより陽の光で撮りたかったんだけど」
「残念でしたね…。あ、お茶淹れますね」
しばらく窓際の席でお茶を呑んでいると、アキが唐突に言った。
「昨日はごめんな」
「謝るのは私の方です。両親を見返そうとしてて」
「ああ、そういうことだったのか」
「自分でも虚しいって分かってるんです。それでも私にはこれしかないんですよね」
アキが窓に目を移し静かに言った。
「いや、虚しくはないよ。むしろ投げ出してないってエライと思うけどね。俺は」
「そんな」
「あ〜あ、希美みたいに勉強してれば留年しなかったかな」
希美は笑ってしまったが、アキの言葉はとても有り難いものだった。
ある程度身だしなみを整え、アキが寝ているのであろう隣室への襖を開けると、既にアキは起床しており、憂鬱そうな目で外を眺めていた。
窓際の椅子に膝を抱いて座っていた。
「天気のこと、気にしてなかったんですね」
希美の声にアキは少し驚いたように反応した。
「希美、お早う」
「お早うございます」
「参ったよ…フラッシュより陽の光で撮りたかったんだけど」
「残念でしたね…。あ、お茶淹れますね」
しばらく窓際の席でお茶を呑んでいると、アキが唐突に言った。
「昨日はごめんな」
「謝るのは私の方です。両親を見返そうとしてて」
「ああ、そういうことだったのか」
「自分でも虚しいって分かってるんです。それでも私にはこれしかないんですよね」
アキが窓に目を移し静かに言った。
「いや、虚しくはないよ。むしろ投げ出してないってエライと思うけどね。俺は」
「そんな」
「あ〜あ、希美みたいに勉強してれば留年しなかったかな」
希美は笑ってしまったが、アキの言葉はとても有り難いものだった。
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