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武士になりたくて3

[212]  けい  2008-05-12投稿
「裏山に逃げよう」

小一郎の声が震える。

村のすぐ傍に小高い山がある。その山を越えて左に行けば堺の町、右に行けば京の都がある。
母とねと虎之助と小一郎の三人は裏口へ、兵士達に見付からずに裏山に向かう事ができた。
しかし、途中兵士に見つかってしまった。

「捕らえろ!」

三人は無我夢中で走った。足が早い虎之助、少し遅れて小一郎、さらに遅れて母とね、あと少しで裏山に入れる所でとねが石に躓いた。
虎之助は振り返った。

「母ちゃん!」

心配して駆け寄ろうとしたがとねは
「母ちゃんの事はいい!小一郎連れて早く山に…」
虎之助に向かって怒鳴った。
すぐ傍に兵士が槍を翳しながら走って来ている。
虎之助は、唇を引き結び、山へ向かって全力で走った。途中小一郎の足が縺れ何度か転びそうになったが、構わず夢中で走った。
後ろは振り向かず走った。
とにかく走りに走った。
小一郎の手が、強く握り返してくる。

死にとうない!
死んで…たまるか!

山の頂上付近まで来た時、ふと後ろを振り返った。とねも兵士もいない。

村が燃えている。
オラ達の村が何もかも。

虎之助は静かに佇んでいた…。

感想

  • 9903: なんかグっときた。前よりわかりやすいです ユウスケ [2011-01-16]
  • 9958: ありがとうございます!初めて物語を書いているので分かりづらい事があるかもしれませんが最後まで頑張りますので宜しくお願いします! [2011-01-16]

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