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緑の丘 (4)

[420]  レオン  2008-05-13投稿
携帯を閉じて、
また空を見上げた。

快晴の空は何だか太陽が眩しくて、私はゆっくりと目を閉じた。







8年前、私はまだ16歳だった。

今まで縛られてた色んな物から開放されて、私は自由だった。

髪を明るく染めて、制服のスカートを短くして、ピアスの穴も開けた。

『ギャル』

そう呼ばれる事が私達のステータスで、誰よりも"強め"なギャルを目指した。

見た目がそんなだから、大人達からは白い目を向られて、男達からは「すぐヤレる女」だと思われ、理不尽な目に合う事もしばしばあった。

それでも、友達と過ごす日々は楽しくて充実していて、青春そのものだった。


そんな私には、友達にも言っていない秘密があった。


それは、先週の日曜。

友達の理菜と別れ、私は夜の街を一人で歩いていた。

「ねぇねぇ、一人なの?」

ナンパ。

いつもならシカトするナンパだけど、その日は何だか家に帰りたくなくて、私は立ち止まった。

「そうだよ。」

いかにも遊び人風の男はニッコリ笑って、私の側へすり寄って来る。

「実はさ、約束ドタキャンされて俺も一人なんだ。飯食いたいんだけど、一人じゃ寂しいから一緒に来てくんない?」

嘘が見え見えだったけど、家に帰って母親の新しい恋人と一緒の空間に居るよりかは、この知らない男と一緒に居る方がマシだと思った。

「いいよ。行こう!」

私は何も考えずに、男と並んで歩いた。歩いてる最中も男は「可愛いね」とか「名前は?」とかゴチャゴチャ喋っていたけど、私はそんなのどうでも良くて、適当にあしらって携帯をいじった。

「此所だよ!!」

そう言われて、携帯から目を放すと、そこはネオンの眩しいラブホ街だった。

「は?何のつもり?」

私は不機嫌に男を見た。

「何のって、そ〜ゆ〜つもりで着いてきたんだろ?」

さっきのアホっぽい男が、何だか急に怖く見えてきた。

「ふざけないでよ。私帰る!!」
そう言って、その場から離れ様とした瞬間、男に思いっ切り腕を掴まれ、無理矢理にすぐ近くのホテルに引っ張り込まれた。

「やめて!!放して!!」

「うるせ〜よ!黙ってろ」

男の力は強くて、私の抵抗も虚しく、私はベットへ押倒された。


何てバカなんだ私…。

今更、何を言っても遅い。


一通り終わると、男は壊れた玩具を捨てる様に、泣き叫ぶ私を残して逃げ去った。


『レイプ』
認めたくはない事実。

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