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吸血鬼〜殺してあげる〜

[384]  黄粉  2008-05-13投稿
「ん・・・?」

辺りが薄暗い。誰もいない。夜明け前・・・

いつの間に外に出たんだろ。家入んなきゃ・・・。

「!?」

手を地面につこうともつけない。

「なんで・・・!?」

木に縛られていた。

「くそ・・・誰が!!」

「馬鹿だね。」

目の前にユラが現れた。しかし、いまは酷く心が荒れていた。

「太陽浴びて死ねよ。」

「え・・・?」

「とぼけるなよ、吸血鬼!!!」

吸血鬼?なんのこと?

「それとも心臓に杭を刺してほしいのか?」

ひどくゆっくりと、木の杭を突き付ける。

「やめて・・・、嫌だ・・・!私は吸血鬼なんかじゃない・・・」

じりじりと迫る杭。それに対して笑いかけるユラ。

おかしい。あんなのユラじゃない・・・サキは急に腹がたってきた。

「やめろ!!!私は吸血鬼じゃない!!血も吸わないしただの人間だ!!」

「嘘だ、僕の一族を殺したのもお前だ!!死んで罪を償うのが当たり前だ!!」

興奮したのか、ユラは杭を胸にうとうとした。

「やめろと・・・、言ってるだろう!!!」

サキは思いきり足を振り上げ、ユラの腹を蹴った。それと同時に太陽が昇った。

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