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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<21>

[399]  麻呂  2008-05-15投稿
『エリカちゃんの上司でしょ?!』



『そうよぉ。アイツはあたしの上司で、ああ見えても偉いのよぉ。

でもあたしはアイツに未だに認めてもらえないの。』



『ちんちくりんのハゲオヤジだって事を?!』



僕は、酒が入っていたせいか、少し饒舌になっていた。



『そんな事認めてもらわなくても周りがみんな認めてるわよ!!バカ未來!!』


キツい。けど、その一言を聞いた瞬間、僕は安心したんだ。
昔とちっとも変わっていないエリカちゃんに。



『あたしさぁ、本当は女優になりたかったんだ。』



彼女はそう言うと、半分位入ったジョッキを片手に持ち、グイッと飲み干した。


これで何杯目だろう。彼女は相当な大酒飲みだと思った。



『未來も何か頼もうか?!ビールにする?!それとも酎ハイ?!』



僕に気を遣ってくれているらしいが、僕はアルコールには、かなり弱い。正直、ほっといて欲しい所なのだが、僕は女の子には、アルコール以上に弱いのだ。



『いや、僕は烏龍茶でいいよ。』



中ジョッキでビールを一杯しか飲んでいなかった僕は、



まだ自分のペースの範囲内ではあったが、彼女がかなり早いペースで出来上がっていくのを見て、



二人で酔いつぶれる訳にはいかないと思ったのだ。



彼女は自分のナマチューと、烏龍茶を注文してくれた。



『じゃあ、女優になりたいという夢が、ADになりたいという夢へと変化したのかな?!』



僕の一言に、一瞬彼女の顔色が沈んだ様に見えたのは、気のせいだろうか。



『高校生の時に受けたオーディションにことごとく落っこちちゃってさ。

もう嫌になってた時に、進路を決めなくてはならない時期が来て、

女優の次に興味があった映像関係の専門学校へ行けば、

もう何年かは、女優になる夢を追いかけられると思ったんだ。

だから、あたしがADやってるのも不純な動機なんだよね。』



『そっか‥‥。』



僕だけじゃなかった―\r



僕は―\r



何となく三流大学を卒業して、



何となく今の会社に就職した自分を、彼女に重ね合わせていた。

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