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カミサマ 〜光の雪?〜

[322]  BgwP←/  2008-05-16投稿

 慎―――と、静寂に包まれた教会。


 凛―――と、いつもの場所に立つ彼。


 彼の後ろ。一番前の長椅子には、小さな寝息をたてるアイサがいた。
 不安や恐怖の色はもう無く、寒さを少しでも無くすためか、身じろぎしてはぼろの毛布をたぐり寄せている。


 そこで、彼は謳った。

 あの日と、同じ歌を。


―――神は貴方を愛すだろう。

神は私を嫌うだろう。

神は貴方を愛し、愛しきあまりに殺すだろう。

神は私を嫌い、嫌いなあまりに生かすだろう。

この世で死ほど愛される事はなく、生ほど嫌われる事などない―――\r


 透き通るような、澄み渡るような、綺麗な声で。

 あの朝と、同じ歌を。


―――神よ。

貴方を祈ろう。

貴方の為に、私の為に。

神よ。

貴方を讃えよう。

貴方の為に、あの子の為に。

神よ。

貴方を信じよう。

貴方の為に、世界の為に―――\r


 そこまで謳うと、彼の歌声は余韻を残して白の世界へ溶けていった。




 そして、彼は笑った。




 心からの笑みを。

 おひさまのようなやわらかさで。






―――――カミサマ。

愛してくれてありがとう――――












 その刹那。

 ブツリという音が

 静寂を破壊した。


感想

  • 9981: ごめんなさい。題名を間違えました?正しい題は『カミサマ 〜月の夜〜』です。本当にごめんなさい BgwP←/ [2011-01-16]

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