一週間 最終章 クチズサミ
コンコン!
「春樹さん…祐輔です!」
家々が点在する山村の片隅に、春樹の家はひっそりと建っていた。
祐輔が到着した時、時刻は0時を廻っていたが、連絡を入れておいたので明かりは点いていた。
ガチャッ!
「待ってたよ…ご苦労だったね」
「家…改築したんですね」
「あぁ…去年、定年退職した時に…悠子にね、退職金の有る内にバリアフリーにしとけって、うるさく言われて…」
「悠子が…」
「…。い、今は暗くて分かりづらいけど、外壁も何もかも洋風で、こじんまりした家になってしまってね…朝になったらまた見てくれよ」
「はい…昔はボロボロのお屋敷でしたからね〜」
「おいおい、えらい言われようだな、ハハハ…」
笑っていた春樹の顔が急に真剣になった。
「それで…どのくらい分かったのかね」
「…いろいろ分かりました」
「立ち話もなんだ…中で話そう」
リビングに祐輔を待たせて、春樹は席を開けていたが、しばらくして盆に冷やし中華と麦茶の入った容器を乗せて戻ってきた。
「やもめ暮らしだから、こんな物しか作れんが…よかったら食べてくれ、話はそれからだ」
「あ…ありがとうございます、頂きます!」
ピッ!
春樹がリモコンを取りテレビのスイッチを入れると、深夜のニュースをやっていて、3時間前に峠道で、車が道路を外れて木に激突しているというものだった。
そして既に死亡していて、免許証から身元が判明したという男の名前を聞いた瞬間、祐輔の箸を持つ手が止まった。
「……牛嶋」
「知合いかね?」
「悠子と…大林教授と…同じ大学に勤めていた助教授です」
更に牛嶋の腹は裂け、腸が飛び出し、一部が欠如していたという。
「悠子の時と似ている…二人目の犠牲者か…」
「いえ、三人…いや、おそらく四人目でしょう」
「まさか…教授も?」
祐輔はうなずいた。すると春樹は脱力し、座っていたソファからずり落ちて床にへたりこんだ。
「祐輔くん…悠子…死んだ日の昼に…ここにいたんだ…」
何かに怯える春樹の瞳を、祐輔は混乱して、真っ白になって、ただ見つめていた。
「春樹さん…祐輔です!」
家々が点在する山村の片隅に、春樹の家はひっそりと建っていた。
祐輔が到着した時、時刻は0時を廻っていたが、連絡を入れておいたので明かりは点いていた。
ガチャッ!
「待ってたよ…ご苦労だったね」
「家…改築したんですね」
「あぁ…去年、定年退職した時に…悠子にね、退職金の有る内にバリアフリーにしとけって、うるさく言われて…」
「悠子が…」
「…。い、今は暗くて分かりづらいけど、外壁も何もかも洋風で、こじんまりした家になってしまってね…朝になったらまた見てくれよ」
「はい…昔はボロボロのお屋敷でしたからね〜」
「おいおい、えらい言われようだな、ハハハ…」
笑っていた春樹の顔が急に真剣になった。
「それで…どのくらい分かったのかね」
「…いろいろ分かりました」
「立ち話もなんだ…中で話そう」
リビングに祐輔を待たせて、春樹は席を開けていたが、しばらくして盆に冷やし中華と麦茶の入った容器を乗せて戻ってきた。
「やもめ暮らしだから、こんな物しか作れんが…よかったら食べてくれ、話はそれからだ」
「あ…ありがとうございます、頂きます!」
ピッ!
春樹がリモコンを取りテレビのスイッチを入れると、深夜のニュースをやっていて、3時間前に峠道で、車が道路を外れて木に激突しているというものだった。
そして既に死亡していて、免許証から身元が判明したという男の名前を聞いた瞬間、祐輔の箸を持つ手が止まった。
「……牛嶋」
「知合いかね?」
「悠子と…大林教授と…同じ大学に勤めていた助教授です」
更に牛嶋の腹は裂け、腸が飛び出し、一部が欠如していたという。
「悠子の時と似ている…二人目の犠牲者か…」
「いえ、三人…いや、おそらく四人目でしょう」
「まさか…教授も?」
祐輔はうなずいた。すると春樹は脱力し、座っていたソファからずり落ちて床にへたりこんだ。
「祐輔くん…悠子…死んだ日の昼に…ここにいたんだ…」
何かに怯える春樹の瞳を、祐輔は混乱して、真っ白になって、ただ見つめていた。
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