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子供水先案内人?

[545]  Joe  2008-05-16投稿
それは、

「構わないが、一つだけ約束して欲しい事がある。」

「何?」
「絶対に触らない事。魂は非常に壊れやすい、触れ過ぎると魂は砕けて、真の意味で、死ぬ事になる。だから、触らないでほしい。」
「わかったわ。触らない。もし、私が触りそうになったら、今みたいに姿を見えなくしてくれて結構よ。」

女は
ぎゅ
と両手の袖をつかんだ。

わかった

「さぁ・・。」
男が赤ん坊を抱き抱える仕草をすると、そこに指を吸いながら眠る赤ん坊が現れた。

ああ、

女は両の目に涙を溜め、袖を握る手に力を込めた。男は赤ん坊の顔が良く見えるように傾けてくれた。

ねぇ

「どうして私に協力して欲しいの?」

本当は、

「君が倒れた時に、君の記憶を消してこの子を連れて行くつもりだった。しかし、待ったがかかってね、」

誰の?

神様の。

「このまま連れて行っては、君にも、この子にも心残りができる。とね、」

へぇ

「神様もたまには、粋な事するのねぇ・・。できれば、この子が奪われる前にして欲しかったけど。」

それを、

「言われるとつらいなぁ。」

まぁいいわ。

「今更言っても仕方ないし。」

俺も、

「君に、聞きたい事があるんだが、」
「何?」
「君は、ひょっとして小さい頃から、幽霊だの、妖精だのが見えていたりしたのかい?」

ええ、

「妖精なんて可愛いものは見たことないけど。」

なるほど

「あともう一つ、子供が死んだと聞かされてもあまり驚かないようだが、・・」

ああ

「何となくね、そうじゃないかって思ってたの。悔しいけど。旦那に誘拐された時、ある程度覚悟はしていたから。」

それにしても、

「落ち着きすぎてないかい?」

昔から

「私の予感って外れた事ないの。」

でも

「だからって悲しくないわけじゃないのよ。」

ああ

「わかるよ。」
そう言ったのも、女が話している最中にも、赤ん坊をみながら泣き続けていたからだ。



「起きちゃったわ。」
女はいそいそと立ち上がった。

私、

「ちょっと、搾乳してくるわ。この子、起きたらすぐミルクの子だから。」

あなた、見ててね。

あ、ああ。

男が答えた時には、すでに声が聞こえないくらい、遠くになっていた。

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