カミサマ 〜暗闇〜
地面が揺れて、
アイサは飛び起きた。
そして、見た。
地に落ちたロザリオを
そこに撒き散る血を
そして思い起こす。
その場は誰の場であったかを。
その吊り下げられたロザリオの下にはいつも誰がいたかを。
「……………サラサエル?」
返事は、無い。
「いや……そんな…………」
震える足で立ち上がり、一歩二歩と進んでいく。
寒さなどではない。
足の――身体の震えも
カチカチと音を立てる歯も
この汗も
背筋が凍るようなのも
冬の寒さのせいなどではない。
「サラ……サ、エル…………?」
呼吸すら、聞こえない。
「サラサエル?……ねぇ、返事をしてよ。サラサエル―――」
アイサがいくら呼び掛けようと
「サラサエル――サラサエルってば」
静寂が、広がるだけ。
「そんな……ねぇそんな…………違うよね!?――サラサエルが……サラサエルが死……………死んじゃうなんて―――」
誰も、答える者などいない。
「そんな…やだ……やだよう」
涙が、嗚咽が止まらない。
「サラサエル……サラサエル。ねぇ私、貴方の名前、聞いてないよ」
足がくだけて座り込む。
「貴方のこと……知らないよ。名前すら、判らないよ………」
か細い、呟きを。
「ここでの暮らし方も、世界の事も、教えてくれたじゃない…」
泣きながら。必死で紡ぎながら。
「ずっと一緒だって、傍にいるって、言ったのに―――」
―――独りにしないでよぉ
感想
- 10007: どうしちゃったの??? [2011-01-16]
- 10010: あと1話か2話で終わります。 ……ええ多分。その予定です? サラサエルを失ったアイサの悲しみは大きすぎるけど、そんなには続かないんじゃないでしょうか?だってアイサは前に進むから。 BgwP←/ [2011-01-16]
- 10051: ダメ出しを押してくださった方。ありがとうございますVV すみませんが、これからの作品の参考にするのでその部分を教えて下さいますか? BgwP←/ [2011-01-16]
「 BgwP←/ 」の携帯小説
- 二人 †名前ナンテ意味ハナイ†
- 二人 †彼女タチハ、コレデイイ†
- 二人 †ソウ、彼女タチハ有ッタ†
- カミサマ 〜エピローグ〜
- カミサマ 〜ラピス・サラサエル〜
- カミサマ 〜暗闇〜
- カミサマ 〜光の雪?〜