携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> カミサマ 〜暗闇〜

カミサマ 〜暗闇〜

[382]  BgwP←/  2008-05-18投稿

 地面が揺れて、

 アイサは飛び起きた。

 そして、見た。




 地に落ちたロザリオを




 そこに撒き散る血を




 そして思い起こす。

 その場は誰の場であったかを。

 その吊り下げられたロザリオの下にはいつも誰がいたかを。


「……………サラサエル?」


 返事は、無い。


「いや……そんな…………」


 震える足で立ち上がり、一歩二歩と進んでいく。


 寒さなどではない。


 足の――身体の震えも

 カチカチと音を立てる歯も

 この汗も

 背筋が凍るようなのも


 冬の寒さのせいなどではない。

「サラ……サ、エル…………?」


 呼吸すら、聞こえない。


「サラサエル?……ねぇ、返事をしてよ。サラサエル―――」


 アイサがいくら呼び掛けようと


「サラサエル――サラサエルってば」


 静寂が、広がるだけ。


「そんな……ねぇそんな…………違うよね!?――サラサエルが……サラサエルが死……………死んじゃうなんて―――」


 誰も、答える者などいない。


「そんな…やだ……やだよう」


 涙が、嗚咽が止まらない。


「サラサエル……サラサエル。ねぇ私、貴方の名前、聞いてないよ」


足がくだけて座り込む。


「貴方のこと……知らないよ。名前すら、判らないよ………」


か細い、呟きを。


「ここでの暮らし方も、世界の事も、教えてくれたじゃない…」


泣きながら。必死で紡ぎながら。


「ずっと一緒だって、傍にいるって、言ったのに―――」









―――独りにしないでよぉ


感想

  • 10007: どうしちゃったの??? [2011-01-16]
  • 10010: あと1話か2話で終わります。  ……ええ多分。その予定です?  サラサエルを失ったアイサの悲しみは大きすぎるけど、そんなには続かないんじゃないでしょうか?だってアイサは前に進むから。 BgwP←/ [2011-01-16]
  • 10051: ダメ出しを押してくださった方。ありがとうございますVV すみませんが、これからの作品の参考にするのでその部分を教えて下さいますか? BgwP←/ [2011-01-16]

「 BgwP←/ 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス