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大好き4

[485]  黄粉  2008-05-19投稿
七海はよく裕也と話している事がある。それを、愛菜は羨ましいと思っていた。

「ねぇ、七海さあ好きな人いるの?」

「別に。なんでそんな事聞くの?」

そんなふうに問い詰められると、無口な愛菜は困ってしまった。

「え・・・なんか、田口となかいいから・・・好きなのかなって?」

「そんなわけないじゃん。仲いいだけだって。」

愛菜は、そんな七海を憎く思った。

「あっ、もしかして愛菜、田口の事好きなんだ!」

周りの生徒に聞こえるよう声で言われ、愛菜は泣きたくなった。

「七海・・・・。」

愛菜は怒りたくなったけれど、気持ちをおさえた。

「何?」

相変わらず七海はあっけらかんとしている。そんな七海に愛菜は腹がたち、

「・・・ひどい。」

生徒達をかきわけ、廊下を走って行った。

走るたびに、

「斉藤って田口のこと好きらしいよ。」

「マジで〜?ありえね〜つりあうわけないし。」

笑い声が混じった悪口が耳に入ってきた。

ひどい・・・














次の日、愛菜は教室に入るのが憂鬱だった。

学校だけにはいかなきゃ・・・

「おはよ・・・」

途端に、賑やかだった教室は静まりかえった。

なに?

愛菜は今から始まる恐ろしい事が分かった。

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