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彼はエイリアン8話

[405]  東山桃子  2008-05-20投稿
3月8日
約束通り 竜二はやってきた。
私の中の 霊感少女がつぶやいた。
竜二と2人っきりは、これが最後かもしれない、と。
ボウリング大会を終えて、竜二は
『サア 送るぞ!』
でも 今日は帰りたくない。
それが 私の本音。
「ねえ 竜二。
これから デートスポット探索ドライブ、なんて どうよ!」
『バーカ!
何訳わかんねー事 言ってるかな。
俺さ、明日 朝6時出勤。わかる? 6時だぞー。』
そんな話はおかまいなしに、子供がだだをこねるみたいに 首を左右に振りながら、足をバタバタさせた。
竜二は あきれ返った顔をして、それでも 観念したように 車の方向を変えた。
ここは函館。
デートスポットは いくらでもある。
結局、元町の教会の間を走り抜け、レンガ倉庫群の ベイエリアに下った。
3月と言っても 函館の春は まだ遠い。
オレンジ色の街灯の下 カップルが寒そうに ぴったり寄り添っていた。
それから私達は 港と反対方向の 裏夜景の名所、東山に到着した。
もう真夜中だったので 車もいない。
眼下にはキラキラ 夜景。
空には満天の星。
いやが上にもムードは 盛りあがる、はず。
ところが 最高のロケーションにあっても、2人はまだ ゲラゲラ笑っていた。
「ところで竜二、どうしてヒゲ剃っちゃったの?
似合ってたのに。」
本心 残念に思ってた。
今の竜二は、不良っぽさが薄れ 物足りない気がした。
『まあ 俺も 色々思うところがあってな、な〜んて。』
「えっ?
竜二が考えたりする事 あるの?」
『ほんと オタクは口が減らないな!』
「お互い様!」
喧嘩しているように ポンポンものが言えるのも、仲の良い証しかもしれない。
【思うところ】って私の事?
少しだけ期待した。
でも私は 人妻として、大人の女として、竜二を悩ませてはいけない。
竜二に嫌われるのが、何よりも怖い。
だから このまま
ただ一緒にいたい。お願い 神様!
せめて
時間を止めて・・・

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