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奈央と出会えたから。<151>

[573]  麻呂  2008-05-22投稿
『奈央ちゃん、ちょっと此処で待ってて。』



サトル君は、そう言うと、二台の車に向かって走って行き、


そのうちの一台の運転席側に回り、何やら話している。





バン―――\r



運転席側のドアが開き、黒の革ジャンに革パンという、全身黒ずくめの、長身の男性が車から降りた。



身長は、聖人より少し低い位かな。



その長身の男性は、もう一台の車に向かって、何やら手で合図した。



すると、もう一台の車から、今度は黒のスーツ姿の男性が降りて来た。





それを見ていた聖人が―\r



『奈央、行くぞ。』


聖人は、あたしの手を引き、その二人の男性の前に連れて来てくれたかと思うと、あたしを紹介してくれた。





『新谷先輩、大沢先輩、俺の彼女です。』



ドキドキドキドキ――



ひゃあ‥‥き‥緊張する‥‥‥。



見た目怖そうな男性二人を前に、あたしの緊張は、ピークに達していた。





『‥き、木下 奈央です。

今日は‥あの‥‥よ、よろしくお願いします!!』





声が上擦っちゃった。は、恥ずかしい‥‥‥。



その時―\r



聖人は、あたしの手をゆっくりと握ってくれた。



目の前の男性二人に気付かれない様に―\r




聖人に手を握られたら―\r



あたしの心臓のドキドキが少し落ち着いた――

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