携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 彼はエイリアン Final

彼はエイリアン Final

[559]  東山桃子  2008-05-22投稿
別れの時は 静かに近づいている。
隣りで眠っている 竜二の顔を、そっと覗いてみた。

どういう事だろう?
竜二は 微笑んでいる、というより
【満面の笑み】
私は 思わず ぷっと吹き出しそうになった。
それは 子供の頃に見た 喜劇映画の
「花嫁はエイリアン」の 1シーンにそっくりだったから。

その後、急に涙があふれた。
あまりにも 竜二が愛おしくて・・・・
竜二と私は、前世で、何かあったにせよ、今の2人には 笑顔しか似合わない。
だから こう思う事にした。

彼は 宇宙のかなた
3億光年先の
笑い星から やってきた使者で、
この寝顔こそ 私への大切な 贈り物。
そうだ
【彼はエイリアン】なんだ!
そう信じたい気持ちに なっていた。
もう二度と 見るはずのない 竜二の寝顔。
この思い出だけで、一生 彼を愛せる気がする。
例え 離れていようとも・・・

どうやら 雨も上がったようだ。
2人は 部屋の真ん中で 抱きあったまま 動けないでいた。
私は 心の中で 叫んだ。
「本当に大好き!」
そんな心と 裏腹に、思いっきり明るい声で 言った。
「さぁ 帰ろう!
6時に 間に合わないよっ!」
竜二は フーッと 深いため息をついた。
何も言わず 強く私の手を握りしめ、そのまま 朝露の中へ 駆け出した・・・

3月9日
シンデレラの魔法は解けた。
でも 竜二の温もりと 手のひらの感触は はっきりと残っている。
私、本気で 竜二を愛してしまったんだな、そう思った。
でも今は 20才の時の 私とは違う。
誰も 傷つけたくない。
ただ 竜二の幸せだけを祈りたい。
これ以上 竜二に近づいてはいけない。
そんな気がした。


次の日の朝。
ありふれた日常に、私は戻った。
仕事へ向かう途中、太陽が眩しかった。
バス停まで歩きながら 心でつぶやいた。

私のエイリアン
笑い星の王子様
心の中で
For ever
・・・・・・・・

感想

感想はありません。

「 東山桃子 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス