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桜坂高校二話

[613]  天竜雅  2008-05-23投稿


私は夜桜沙羅、
今日は林田先輩の弟
林田陸に勝つために必死で勉強してきた。

私は別に負ける事が大嫌いな高飛車なわけではない。

ただ才能に溢れた林田先輩がベタ褒めする程の人材だ……。

どれだけの実力があるのか試してみたい。

私が陸君に初めて会った時の第一印象は…
ちょっと、いえ、かなり真面目という言葉から
掛け離れた印象だった。

………だからといって、いきなり勝負!っとか
言ってしまったけど、
驚いてないかな……。
(ちょっと反省)



そして、
テストは始まった……。



テストも終わり、
放課後になった。

テストの問題はだいたいは予習した問題ばかり
だったから、おそらく、
八割は大丈夫(と思う)

「あのぅ、夜桜さん、
テストどうでしたか?」

クラスの男子が数人私に話しかけてきた。

「う〜ん、
まあまあなの」

……この口癖、いい加減直したいけど気付いた時にはつい口走ってしまうの……。

たまたま男子の後ろを見たら林田君はもう鞄に荷物を入れて
帰ろうとしていた。

私はその事に随分
焦った。

テストの事で聞きたい事があったからだ。

私は傍にいる男子に簡単に挨拶すると、大急ぎで鞄に荷物をまとめ、教室を出た。

もう門の近くにまで行っている林田君を引き止めた。

「は…林田君!」

「ん〜、どうした?そんなに慌てて
……トイレか?」

なっ!……なななんてデリカシーのない人!

「早くトイレに行かないと我慢は身体に毒だぜ」

「ちっっがうの!!」

改めて、深呼吸して……

「今日のテストの出来はどうだったかな、
って思ってきたの!」

林田君はのんびりと答えた。

「さぁ…?」

…この人は、林田君は、天然なのかな
……でも、これなら…
きっとテストに勝てる!

という、自信がどこからともなく湧いてきた。

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