星の蒼さは 62
「アキ!どこ!?いるんでしょ!?」
整備員たちがドックで待機している為、誰もいない格納庫で美樹の声は響いた。
「アキ……どこ……?」
次第に心細くなってきた。誰もいない格納庫は一人でいるには広すぎる。
物陰も多く、薄暗い。
もう引き上げようか。
避難区画にいるに違いない。
勝手に判断して回れ右をする。
と、かすかな物音に身体が強ばる。
この静かな世界に何がいる。
唸り声のような、あえぎ声のような。
ただミサイルの影に誰かがいるのは間違いなかった。
「誰…?」
身構えながらそっと声をかけた。
返事はない。
「アキ?」
「ぅう……ッ」
果たして、そこにいたのはアキだった。
「アキ?どうしたのよ!」
顔に汗をかき、苦しそうに悶え、アキは涙を流していた。
「どうしたの、真っ赤!」
「わかんない…苦しくて、悲しくて…なんか涙が出てきた」
アキはやっと絞りだした。
「悲しい?なんで?」
「…わかんない…暗くなって…赤くなって…怖かった」
震えていたアキは、しかし、最後に笑顔で言った。
「でも…最後は蒼かった。暖かくて……気持ち良かったよ」
整備員たちがドックで待機している為、誰もいない格納庫で美樹の声は響いた。
「アキ……どこ……?」
次第に心細くなってきた。誰もいない格納庫は一人でいるには広すぎる。
物陰も多く、薄暗い。
もう引き上げようか。
避難区画にいるに違いない。
勝手に判断して回れ右をする。
と、かすかな物音に身体が強ばる。
この静かな世界に何がいる。
唸り声のような、あえぎ声のような。
ただミサイルの影に誰かがいるのは間違いなかった。
「誰…?」
身構えながらそっと声をかけた。
返事はない。
「アキ?」
「ぅう……ッ」
果たして、そこにいたのはアキだった。
「アキ?どうしたのよ!」
顔に汗をかき、苦しそうに悶え、アキは涙を流していた。
「どうしたの、真っ赤!」
「わかんない…苦しくて、悲しくて…なんか涙が出てきた」
アキはやっと絞りだした。
「悲しい?なんで?」
「…わかんない…暗くなって…赤くなって…怖かった」
震えていたアキは、しかし、最後に笑顔で言った。
「でも…最後は蒼かった。暖かくて……気持ち良かったよ」
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