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月の葉書2部4−7

[426]  速見  2008-05-23投稿
〜香雲〜

女)ごめんなさいねぇ髪だけ切っちゃって

女の甲高い声が響く

香雲)心配には及ばないわ

香雲は立ちながら女をみた

女)あれ?あの女何か………

女は何か香雲に違和感を抱く。女がその違和感に気付いた瞬間目を疑った。なんとさっき切ったはずの香雲の髪が元通りに伸びていたのだ!

女)なっなんで髪が伸びているの!?

女は動揺したのか呟く様に小さい声で言った
香雲は軽く口元を笑わせて

香雲)これが私の能力よ

香雲は元に戻った髪をふさっと軽く払う

香雲)私は、髪を自在に伸ばしたり操ったり出来るの。こんな感じにね

香雲の髪が伸びて女を襲う

女は避けるが香雲の髪が砕いた地面の破片が女の足にかすり傷を付ける

女)くっ

女は急な出来事に戸惑い目を閉じて落ち着く

女)なら全てを切り落とすまでよ

パチッと目を開けた女は冷静さを取り戻して香雲と同じ様に口元で笑う





はぁはぁ

先程冷静さを取り戻した女は息を切らせて膝を床に着けている。まだ先程から3分も経っていない

女)(ばっ化け物か?

女は信じられない様で香雲を見る

女)(あの場所から一歩も動いていない!!

女の全身からの汗が凄かった。3分間でどれだけ走り回されたらあんな汗を流せるんだろうか?

香雲)あれぇどうしたの? 汗酷いわよ

香雲が嫌味っぽく言うが、すぐに部屋をグルッと見渡すと

香雲)まぁいいや。もう決着着いた事だし先に行かせて貰うね

そう言って香雲はスタスタと女を素通りして背を向る

女)決着って……まだ私は参ってないわよ!!

女は香雲の態度に腹を立て無防備な香雲の背中を狙うが、女の腕がピタリと止まる

女)なっ何で動かないの?

香雲)自分の腕をよくみたらぁ?

香雲に背を向けたまま指摘され腕を見るとなんと髪が絡まっていたのだ

女)髪?けど、あいつの髪は今伸びていない。どうし……
女)えっ?

女は空間を見て恐怖した。なんと空間中が髪で埋め尽くされてそれぞれが動いていたのだ

香雲)言ったでしょ?私は髪を操れるって

香雲が頭だけを軽く振り向いて言った瞬間、空間の髪が女を襲った
女の悲鳴が洞窟に響いた

香雲)だから言ったでしょ?髪の恨みは怖いって

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