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死体処理少女・六

[571]  黄粉  2008-05-26投稿
「お前、一体何者なんだよ!」

裕也は怒鳴ってみた。

それは奴の正体を突き止めるためにしたことだった。

「私はただの人間ですよ。」

橋本はそう言った。

腹が立った。

怒鳴られたにも関わらず、平然とする目の前の殺人者に。

「お前ぇっ!うわっ!」

裕也の叫びと、紙のバサッという音が重なった。

橋本がいきなり新聞の記事を差し出したのだ。

「何・・・・?」

橋本は、目で、「読め」と言っていた。

とりあえず、裕也はその記事を読んでみた。

<●月×日、夜、外食に行ってくるといい、出掛けた夫婦、夫橋本匠さん(48)婦橋本明江さん(42)が出掛けたっきり、戻って来ないとの、橋本さん夫婦の娘さんから、通報があった。二人は・・・>

まだ続きがあったが、読みたくなかった。

「橋本・・・」

新聞には、橋本の両親の写真が写っていた。

「私が殺したのはこの二人です。」

殺した!?記事には行方不明って・・・

そういおうとしたが、橋本がさえぎった。

「私が嘘をついた。行方不明って。」

「でもお前、両親から暴力受けてたって・・・!」

橋本は悲しい目で言った。

「明日、全部話します。」




橋本?



いつの間にか、橋本の部屋から裕也は出ていた。



本当は私は・・・、いてはいけないんです。生き物じゃないから。




扉越しに、橋本の声が聞こえた。

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