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愛のかたち第4章

[373]  木下 悠  2008-05-27投稿
それから10年が過ぎた。愛子は18歳。慶は22歳になっていた。愛子は相変わらず心を閉ざしたままで、慶は定職につかずフリーターだった。

愛子はそんな慶を反面教師にしていたのか、地道にコツコツと働いていた。

そんな兄弟をみて両親は愛子はほっといてもいいが、慶の事が心配でたまらない。と嘆く日々。

愛子は二十歳で結婚し、家を出た。誰も反対はしなかった。慶は、やっと定職につき、両親はその事に喜んだ。

愛子は子どもには恵まれなかったが、優しい夫と幸せな日々を送っていた。

それから5年後、すっかり落ち着いた慶も結婚をし、家を出た。

母は愛子を心配する言葉をかけるようになってきた。愛子は元々病弱で、病院通いは幼い頃からかかせなかった。しかし、愛子は入院しても知らせず、悪くなっても良くなっても両親には黙っていた。愛子の壁はまだ崩れていなかった。

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