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適正距離

[354]  そぼろ飯  2008-05-28投稿
三歩と半歩
これが僕と君の適正距離。この距離にいれば衝突することもない。そのかわり接触することもない

僕は君に好意を抱いている。僕と君は程よく親しい友人関係で。
このままでいいなんて望んでない。なのに僕は君が離れるのを恐れて距離を作った。

「マサヒロのばかぁ。浮気者〜!別れてやるっ」
しばしば僕は彼女の愚痴の相手をさせられる。だいたいそれは彼女の男性関係のことだ。彼女はその事に関してあまりスッキリハッキリしてるとは言い難い女性で、相談してくる相手の名が毎回違い、密かに僕は傷ついていた。
「あーぁ、いっそのこと伊東に乗り換えようかなぁー」
彼女がふいに適正距離を越えて僕に近づいてきた。伊東というのは僕の苗字である。
「やめてくれよ」
僕はやっぱり距離を守る。何でだろただ頷けばいいのに。
僕は相談がいのある友人という心地よいポジションでいたかった。そうすれば君に嫌悪される事はない。
なのに、君を抱き締めたいなんて欲望にかられる僕。
酷く矛盾してる
三歩と半歩
僕と君の適正距離
近いようで遠い
順守したい訳がないのに、臆病な僕は近づく事も離れる声も出来ない。
今日も適正距離は守られたままだ

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