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良子…自分を見つめ直して?

[397]  ぐうりんぼ  2008-05-29投稿
仲間の1人が女性に詰め寄った。
「俺の女に、何ィ…みっともねえ事させてんの!?」
亜久男と名乗る男性は、美枝良さんの恋人。女性に対して激しい口調で文句を言った。
自分の彼女が人の前で頭下げさせられたのが気に入らないらしい。「あなたの彼女が、この女性にぶつかったのに、謝りもしなかったのが原因じゃない」
女性はこう釈明するけど、亜久男さんは認めない。
「ふざけんじゃねえ!そのブス女がよ、ボーッとしていたのが悪いんだろうがッ!」
このセリフに良子はカチンと来た。
「チョット、そんな変な言い掛かりはやめてよね!」と、良子は
亜久男さんに詰め寄った。互いに睨み合いとなったけど、女性は良子を制止して亜久男さんから引き離した。
女性は良子を庇いながら、亜久男さんに冷たい視線を向けた。
「自分の彼女の行為を人のせいにしている。あなたって、サイテーな男ねェ」
「何じゃとコラァ!」激怒する亜久男さん。チンピラのように振る舞って相手を威圧するから余計、始末が悪い。だけど、女性は怖がったりする事なく毅然とした態度を取る。
亜久男さんから容赦なく罵声を浴びせさせられたり、脅されても全く動揺しないのだ。
強気の姿勢だった亜久男さんも、これには勝ち目がないようで段々と苛立って来た。
相手からの巧みな言い回しに振り回されてあるから尚更である。
亜久男さん、女性からジッと見つめられたまま…。
(な、何なんだよこの女!? エスパーかマジシャンかよ!)
実は亜久男さん、さっきから頭がボーッとしていて、全身の力が抜けて行くような感覚に陥っているのだった。女性を脅そうとすればするほど強く感じている。このままだと…、誰かが亜久男さんの背中を軽く叩いた。
振り向くと、美枝良さんが立っていた。
「び、美枝良!」
「もう…よそうよ。
あんまりカッカ来ると、みっともないわよ」「お前が言うなら」
美枝良さんに説得されるがままに、亜久男さんは仲間と一緒に店を出た。


つづく

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