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桜坂高校五話

[547]  天竜雅  2008-05-31投稿


「室長、これで部員は全員なのか?」

「あ、はい…そうです」

部員は俺と室長を含め、五人…。

「えっと、それじゃあ自己紹介でもしますか〜……俺は林田陸と言いま〜す。何故か部長してま〜す…よろしく〜」

「わ…私は室ちょ…じゃなくて…副部長の片原蛍です」

「夜桜沙羅なの、よろしくなの」

「俺!山田大輝(やまだたいき)仲良くしてくれよ!」

「浅川香織(あさがわかおり)だ…よろしく」

一通りの自己紹介が終わると、皆が俺を見た。

…部長が何か言わなくてわならない所なのだろう…しかし、何度考えても俺よりも室長の方がいいと思うんだけどな……。

「あ、そうそう、えーっと……実は、こんなものを作って…」

そして、ダンボールをくり抜いて作られたダンボールのポストが姿を現した。

言葉の途中で山田が遮った。

「おい部長〜何だよ
それ〜あっはは………」

山田は大笑いしながらダンボールのポストを見た

「えー、これは我が相談部の依頼届けを集めてくれると・て・も素ん晴らしい物です」

「高校生にもなってそれはないだろ〜!!
あははははは…………」

そして再び爆笑…

「……林田が作ったのか?」

浅川がポストを見ながら言った。

その答えに俺は首を振った。

「いや、俺じゃなくて」

「私が作ったのよ〜〜」

声と同時に空気が凍り付いた。皆が部室のドアに注目する。それは、うっすらと殺意のオーラをまとって現れた人物は………

「せ…先生…」

山田がさっきの大笑いと違って、恐怖の凍り付いた失笑を浮かべていた。

「皆、揃ってるわね〜…私は顧問の和田(わだ)といいま〜す…よろしくね………?」

「は、はぃ………」

「そりじゃ、先生は今から会議があるから、また今度ね、や・ま・だ・君」

そう言うと先生は去って行った…。

「や…やべぇ……」

そう、先生は山田の名前だけを呼んでいた………近いうちに説教か何かで呼び出されるな……。ほんの少し同情するぜ…」

「ねぇ、林田君、依頼届けって、部員でも出していいの?」

「ん?別にいいぞ、何か悩み事でもあるのか?夜桜」

「うん、それじゃあ早速一つ出させてもらうの」

夜桜はニヤリと笑うと俺達を引き連れて、外へと歩きだした……。



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