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星の蒼さは 65

[474]  金太郎  2008-05-31投稿
レインのパイロット達はきっと何が起こったのか全く分からなかっただろう。
対要塞劣化ウラン炸裂弾の弾頭を手榴弾に詰めた手製爆弾は潜水艦を一撃で葬るには十分過ぎる破壊を生み出す。
潜水艦を起爆剤にして広がった衝撃波は5機のレインを引きちぎり、海面に押し上げた。

そして、その残骸の一部は最後尾の西沢の零に襲い掛かった。

強行突破で性能が著しく低下していた西沢の零は、まともに衝撃波と巨大な破片を受けてしまった。

ハルは最後に聞いた。

「…しくじったね」

通信中断は機械的問題ではなく、西沢の意志によるものだった。

水圧に押し潰され、引き裂かれ、ひしゃげた金属音が海中に響く。
やけにはっきり聞こえた最後の叫びは断末魔の悲鳴か、それとも命の讃歌か。

ハルはその後突き上げてきた水流に押し飛ばされて海面に飛び出すまで、声にならない声をいっぱいに張り上げた。
その間、狩野は黙して語らず、一言。

(まだ、戦闘は終わっていない。次は海上の敵を孅滅するぞ)

余りの素っ気なさにハルは絶句したが、狩野の声が震えているのに気付いた。

そして、爆発。噴き上げられた海水が海面に炎の華を咲かせた。

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