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ノイズ‐NOISE‐

[629]  紀夜  2008-05-31投稿
 平和な街に響いた。
 静かな街に響いた。
 きれいなメロディでも
 激しいロックでもない

   響いたのは

 いびつな雑音だった








 荒れ果てた街のすみに、三人の不良が一人の娘を取り囲んでいた。
「てめぇ!ノイザーの分際で口答えすんじゃねえよ!」
「抵抗しなけりゃ こんなことにはならなかったのによ!」
娘はだいぶやられたのか、抵抗もせずうずくまっている。
 
 「もうそのへんにしないか。」
三人が振り替えると、そこには一人の見知らぬ若い男が立っていた。
「あん?なんだてめえ、この女のつれか?」
男は何も言わず薄ら笑みを浮かべている。
「なに笑ってんだコラ!ヒーローぶってるだけなら、さっさと失せな!!」
不良の一人が男に勢いよく飛び掛かった。

 不良の拳は空を切った。「なっ」
軽やかに男はよけると、横から不良のこめかみに拳骨を食らわした。
「っあぁ・・・っ」

「てめえー!!」
「ふざけんじゃねえー!!」
残った二人が同時に遅いかかる。それにも動じず、男は笑いの表情を変えなかった。

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