彼氏は偏屈男act;2
私の彼氏である田沼という男は偏屈男だ。
「田沼、そんなに見つめたら可哀想だよ」
私はプラスチックの壁のむこうにいるビーバーに同情した。
かれこれ30分、田沼が一方的に視線を送っている。
「かわいいな…」
そう言って田沼はニタっと笑った。
怖い。怖い。
田沼と私は今動物園にきている。記念すべき初デートだ。
「ちょっと私向こう見てくるわ」
このままだと一日中ビーバー観察に付き合わされかねない。
「待て、僕も行く」
踵を返した私のシャツの襟首を田沼は引っ張って引き止めた。
とはいいつつ視線はまだビーバーだ。
「いいって。まだ見てたいんでしょ」
「でも花山と別行動するのは嫌だ。せっかくデートなのだし」
この男なりにデートだという事を意識しているらしい。何だか、嬉しいな
「じゃ、行こう。私アシカ見たいな」
ああ、と田沼は返事をしたがまだビーバーが気になるようだった。
‥‥どんだけ気に入ったのよ、ビーバー。
ちょっとビーバーが羨ましかったのは内緒である。
そんなこんなであっという間に昼。
ええ、作ってきましたとも手作り弁当。彼女ですからね、一応。
まぁ田沼はしょっちゅう弁当を忘れる男で分けてやるのが珍しくないから別に特別ではないけど。
だけど具はちょっと豪華だ。その辺はちょっとドキドキだ。出来れば気付いて欲しい、と思う乙女心……。
田沼はこっちの心配も露知らず何を考えているのか、ぼおっとしている。
いざ、さぁ勝負っ!
「田沼、そんなに見つめたら可哀想だよ」
私はプラスチックの壁のむこうにいるビーバーに同情した。
かれこれ30分、田沼が一方的に視線を送っている。
「かわいいな…」
そう言って田沼はニタっと笑った。
怖い。怖い。
田沼と私は今動物園にきている。記念すべき初デートだ。
「ちょっと私向こう見てくるわ」
このままだと一日中ビーバー観察に付き合わされかねない。
「待て、僕も行く」
踵を返した私のシャツの襟首を田沼は引っ張って引き止めた。
とはいいつつ視線はまだビーバーだ。
「いいって。まだ見てたいんでしょ」
「でも花山と別行動するのは嫌だ。せっかくデートなのだし」
この男なりにデートだという事を意識しているらしい。何だか、嬉しいな
「じゃ、行こう。私アシカ見たいな」
ああ、と田沼は返事をしたがまだビーバーが気になるようだった。
‥‥どんだけ気に入ったのよ、ビーバー。
ちょっとビーバーが羨ましかったのは内緒である。
そんなこんなであっという間に昼。
ええ、作ってきましたとも手作り弁当。彼女ですからね、一応。
まぁ田沼はしょっちゅう弁当を忘れる男で分けてやるのが珍しくないから別に特別ではないけど。
だけど具はちょっと豪華だ。その辺はちょっとドキドキだ。出来れば気付いて欲しい、と思う乙女心……。
田沼はこっちの心配も露知らず何を考えているのか、ぼおっとしている。
いざ、さぁ勝負っ!
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