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ノイズ‐NOISE‐?

[526]  紀夜  2008-06-02投稿
暴れる彼女の肩を両手で必死に押さえるが、すぐに動いて押さえることができない。
「なにが、デキのいい人間よ!!警察が私を、私達ノイザーを苦しめてんじゃないの!!あんたらのせいで、私の、私の人生はっ!」彼女の瞳から悲しみの涙が溢れてくる。
「大丈夫。俺はその辺の警察とは違う。なにもしやしない。」
「うそ!そう言われて兄さんは牢獄につれていかれたのよ!あなたみたいな、優しそうな警官に!」
「違う!!!」
狭い車内にウィルの声が大きく響いた。
「なにもしやしない。俺は君を一人の人間として、安全な場所まで送るだけだ。警察官として、当たり前の行為だよ。」
彼女はウィルの優しく、真剣な眼差しに、真の善良な心を感じた。
 彼女の手足はいつのまにか暴れるのをやめていた。
 
 「本当にここでいいの?」
ウィルは窓から顔を出し、申し訳なさそうに立っている娘を見上げた。
「はい。この近くに私が暮らす家があるんですけど、車が通れる道じゃないので」
「そっか、まあ今度はあんなところ行っちゃだめだぜ?チンピラがうろうろしてるからな。」
そう言うと、ウィルはハンドルに右手を置いた。

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