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奈央と出会えたから。<163>

[598]  麻呂  2008-06-02投稿
物凄いスピードで峠から下りて来る車が一台――



新谷先輩だ――



『奈央ちゃん。新谷が目の前でドリフトするから!!しっかり見といて!!』



大沢先輩が言った。


『はい!!』



あたしも素直に答える。



『おい!!来たぜ!!』



聖人も身を乗り出している。



キキキキィー―‐ッ


目の前のカーブでドリフトをカッコ良くキメてくれた新谷先輩は、



物凄い速さで、あたし達の前を通り過ぎて行った。



『す‥凄い‥‥。カッコ良い‥‥‥。』


思わず呟いてしまったあたし。



『正しく完璧なドリフトだろ?!奈央?!』



感動しているあたしに、笑いながら聖人が言った。



『さっきの新〇での、ドリフトギャラリーの連中のドリフトとは訳が違うぜ。

同じ車好きの俺としては、こんな事を言うのは悔しいが、

やっぱ新谷は一流の技術を持ってんだよな。

なんたってGT-Rでドリフトを完璧にこなすヤツだからな。』


さっきまで女のコのナンパ話ばかりしていた大沢先輩が、



新谷先輩のコトを熱く語っているのを見て、



あたしは―\r



新谷先輩と大沢先輩は、強い信頼関係で結ばれているんだなぁって改めて思った。



『新谷先輩、物凄い速さで下りて行きましたね。

俺らも下りますか?!大沢先輩。』



『おぉ。そうだな。そうするか。』



大沢先輩の運転するGT-Rは、あたしと聖人を乗せて峠を下りた――



先に下りて行った、サトル君を乗せたスープラを追うカタチで――



峠を下りて行く時、大沢先輩がドリフトのコトをあたしに色々教えてくれた――

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