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天の邪鬼にもハッピーエンド?7

[260]  じゅりあ  2008-06-04投稿
孝志は、急ぎ足である場所へ向かっていた。

そう、沙野子といつも会うバーへ。

あの時

『待つわけないやん』

沙野子は、そう言った。

が、きっと待ってる筈だと…孝志は思っていた。

希望に近いが、彼のカンがそう訴えていたらしい。


キィ…

ドアを開けると確かにそこには、丸くうつ伏せになった沙野子の姿があった。

そして何故か安堵した。

すっと横に座ると沙野子の肩に手をやり声をかける。

「沙野子さん…」

寝返りを打った沙野子の顔がこちらに向いて、ハッとする。

瞼にきらっと光る物が見えたから。

「…くな…」

何か寝言を言っているらしい沙野子に耳をすませる孝志。

「行くなぁ…孝…」


普段、絶対に沙野子の口から聞く事はないだろう発言に、孝志は驚いていた。

そして沙野子の本音が聞けたようで、胸が熱くなった。

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