お伽話・第一話「狼と七匹の子ヤギ3」
まだいる・・・?
麻美は、窓からアパートの向かいにいるヤギを見下ろした。
相変わらずヤギは地味な色のドレスを着て、真っ直ぐ前を向いている。
「なんなの?だれかのコスプレ?」
麻美は不思議に思った。だが、不思議よりも恐怖の方が大きかった。
単純なモノなのに恐ろしい・・・
何が怖いよ・・・ただの着ぐるみじゃん。
恐怖を押し潰し、麻美は注意しようと外に出た。
ガタガタガタッ
階段を下り、ヤギのいるほうへ。
「あの、そんな着ぐるみ姿でいられたら困るんですけど。他でやってください。」
きつい口調で言った。
しかし、ヤギは答えない。
「ねぇ!聞いてますか!?」
麻美は、着ぐるみの首にあたるところをはずそうとした。
だが、取れない。
「いい加減にしてよ!」
後ろのチャックを調べようとしたが、チャックすらない。
「え・・・」
まさか、このヤギは・・・着ぐるみじゃない?
本物の・・・
「ひ・・・」
麻美は、恐ろしくて座り込んでしまった。
その時、ヤギがこちらを向いた。
「私の坊や・・・坊やはどこ・・・?狼に食べられてしまったの?」
怯えた様子で麻美に近づく。
「狼さん・・・坊やを返して・・・」
ヤギは、麻美の服を掴むと、持っていた大きなハサミで麻美の腹を切ろうとした。
「いやあぁぁーー!!」
麻美は暴れ、ヤギの手から逃れた。
それと同時にアパートへ、無我夢中で走った。
後ろからは、ヤギのヒヅメが鉄の階段を削る音がする。
しかし、麻美は訳が分からなかった。狼とは誰か、何故ヤギが自分を襲うのか。
鍵をかけようとしたが、鍵が壊れていることに気付いた。
麻美は今日、純太の家に来た事を後悔した。
麻美は、窓からアパートの向かいにいるヤギを見下ろした。
相変わらずヤギは地味な色のドレスを着て、真っ直ぐ前を向いている。
「なんなの?だれかのコスプレ?」
麻美は不思議に思った。だが、不思議よりも恐怖の方が大きかった。
単純なモノなのに恐ろしい・・・
何が怖いよ・・・ただの着ぐるみじゃん。
恐怖を押し潰し、麻美は注意しようと外に出た。
ガタガタガタッ
階段を下り、ヤギのいるほうへ。
「あの、そんな着ぐるみ姿でいられたら困るんですけど。他でやってください。」
きつい口調で言った。
しかし、ヤギは答えない。
「ねぇ!聞いてますか!?」
麻美は、着ぐるみの首にあたるところをはずそうとした。
だが、取れない。
「いい加減にしてよ!」
後ろのチャックを調べようとしたが、チャックすらない。
「え・・・」
まさか、このヤギは・・・着ぐるみじゃない?
本物の・・・
「ひ・・・」
麻美は、恐ろしくて座り込んでしまった。
その時、ヤギがこちらを向いた。
「私の坊や・・・坊やはどこ・・・?狼に食べられてしまったの?」
怯えた様子で麻美に近づく。
「狼さん・・・坊やを返して・・・」
ヤギは、麻美の服を掴むと、持っていた大きなハサミで麻美の腹を切ろうとした。
「いやあぁぁーー!!」
麻美は暴れ、ヤギの手から逃れた。
それと同時にアパートへ、無我夢中で走った。
後ろからは、ヤギのヒヅメが鉄の階段を削る音がする。
しかし、麻美は訳が分からなかった。狼とは誰か、何故ヤギが自分を襲うのか。
鍵をかけようとしたが、鍵が壊れていることに気付いた。
麻美は今日、純太の家に来た事を後悔した。
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