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頭脳と頭脳(2)

[652]  未熟  2008-06-05投稿
次に画面をよく見る。
なにか手掛かりになるものは・・・・・・
「万葉市で事件があったのは知っているかな。」
さっきニュースでやっていた事件か。
「あれは私の仕業でしてね。」
わざわざ俺に教えてくるとはな。
画面には、真っ白な壁とこいつしか映っていない。
さすがに手掛かりは残さないか。
「綺麗な花火をあなたにも見てもらいたかった。」
ただの愉快犯?
いや、それだけなら俺に教えてくる意味がわからない。
爆破場所になにか俺に関係があるものがあるはず。
「今日はプラザ万葉に芸能人がきていましてね。おかげでプラザ万葉は人で一杯です。」
プラザ万葉、あの万葉市一の大ビルか。
こいつ、あんな場所を。
「たくさんの人が花火を見てくれた。」
なにを考えているか読めないな。
「花火を見た少女は今、大変後悔しているでしょう。」
少女?誰だ?
「俺を捕まえることができなくて。」
俺、男か。
いや、さっきは私と言っていた。
熱くなってる様子はない。
なら、本来の喋りかたがでてしまったというわけではなさそうだな。
撹乱か?それとも・・・・・・
まあ、いい。
それよりも捕まえる?
こいつを追ってる人間が警察の他にもいるのか。
覆面の雰囲気が突然変わる。
「空の上の星。」
なんだ、いきなり?
「そこにいる一人の少年。彼にはあるものを渡しております。それは―――」
ビンポ〜ン。
突然、チャイムの音がなった。
無視だ、無視。
ドンドンドン!
「いるのはわかってますよ!兄貴!」
この声は、哲史(さとし)か。
哲史は俺になにかとくっついてくる後輩で、俺のことをなぜか兄貴と呼ぶ。
「開けてくださいよ、兄貴!」
くそ!あいつの声がでかすぎて、声がきこえねぇ。
入れるしかないか。
どうせ映像は録画してある。
念には念をだ。
携帯をムービーがとれるように設定し、テレビの音をひろっておく。
そのまま玄関へ。
ガチャ。
「兄貴!なんで早くでてくれないんすか!?」
「悪かった。今立て込んでてな。とりあえず声をださずに入れ。」
その言葉だけで、どうゆう状況か理解してくれたようだ。
二人で静かに中に入る。
そしてテレビを見る。
「ですから、気をつけてください。」
くそっ!話は終っちまったか。

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