一握りの雪 2
僕が寝ているベッドが軋む。
布団の端の方が引っ張られる感じがする。
「起っきろ〜!!」
「ごふっ!?」
突如、僕の脇腹に奴の肘打ちがお見舞いされた。
全身にかかった布団を蹴り退け、ベッドから落ちて脇腹から響く激痛にのたうち回る。
「おっはよ〜、なっくん!」
「・・・つぅ〜・・・由香、もうちょっと親切に・・・」
何度かむせ、脇腹を抑えながら上体を起こす。
時計はまだ六時を回ったばかりで、寒さで鳥肌が立つ。
「無視するなっくんが悪い!」
と、顔を膨らませて言ったが、それはすぐに笑顔に変わって手を差し伸べてくれた。
僕は遠慮なく由香の手を握る。
この娘の名前は冬雪由香(ふゆきゆか)。僕の幼馴染みで、唯一親しい女の子だ。
高校生にしてはわりと小柄な体格で、何より胸がない。
「何か?」
「何も」
胸はイマイチ魅力に欠けているがそんなことはどうでもいい。顔立ちも何だか幼く、性格は明るく寂しがりや。
「ねえ?」
「何も」
今まで当たり前のように付き合ってきたけど、僕って相当な幸せ者なんじゃないかって思える。由香みたいな女子、なかなか居ないもんな。由香は男子の注目の的にならないから遠慮なく話せるし。
布団の端の方が引っ張られる感じがする。
「起っきろ〜!!」
「ごふっ!?」
突如、僕の脇腹に奴の肘打ちがお見舞いされた。
全身にかかった布団を蹴り退け、ベッドから落ちて脇腹から響く激痛にのたうち回る。
「おっはよ〜、なっくん!」
「・・・つぅ〜・・・由香、もうちょっと親切に・・・」
何度かむせ、脇腹を抑えながら上体を起こす。
時計はまだ六時を回ったばかりで、寒さで鳥肌が立つ。
「無視するなっくんが悪い!」
と、顔を膨らませて言ったが、それはすぐに笑顔に変わって手を差し伸べてくれた。
僕は遠慮なく由香の手を握る。
この娘の名前は冬雪由香(ふゆきゆか)。僕の幼馴染みで、唯一親しい女の子だ。
高校生にしてはわりと小柄な体格で、何より胸がない。
「何か?」
「何も」
胸はイマイチ魅力に欠けているがそんなことはどうでもいい。顔立ちも何だか幼く、性格は明るく寂しがりや。
「ねえ?」
「何も」
今まで当たり前のように付き合ってきたけど、僕って相当な幸せ者なんじゃないかって思える。由香みたいな女子、なかなか居ないもんな。由香は男子の注目の的にならないから遠慮なく話せるし。
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