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奈央と出会えたから。<166>

[589]  麻呂  2008-06-09投稿
『そうそう。こんな軟派な男にひっかかったら大変だからな!!ハハハ。』



新谷先輩が大沢先輩のコトを指してそう言った。



『マジィ?!俺ですか?!まぁ‥何も言い返せないか‥‥。』



大沢先輩は、思わず苦笑い。



『あれ?!先輩、さっきからサトルのヤツ見当たりませんよね?!』



聖人が、サトル君がいないコトに気付く。



『ああ、サトルな。ハハハハハ。

アイツ、俺のドリフト走行に酔って吐いてるわ。』



豪快に笑う、新谷先輩。



『アイツ、昔から車酔い激しいヤツなんスよ。』



聖人が言った。



そっか――



聖人は、サトル君と小学校時代からの親友だもんね。



付き合いが長い分、お互いの色んなコト知ってる筈だよね。


そんなコトを考えていたら、





『‥‥う゛〜〜‥‥死ぬかと思った。』


サトル君が、何処からともなく現れた。


『サトル、大丈夫か?!お前は今度から酔い止め飲んどけ!!』



聖人がそう言うと、


『今日、この中で一番カッコ悪かったヤツは罰ゲーム!!』


―と新谷先輩。



『イコール=サトル。得意の物真似を披露せよ!!』



―と大沢先輩も続ける。



聖人の話では、こういう時の二人は、息がピッタリ合っているらしい。



『か、勘弁してくださいよぉ〜〜〜。』


サトル君が困っている。



『ハハハハハ。』



笑う新谷先輩と―\r
―\r



『サトルは酒にも女にも車にも弱いか。』



更にツッコミを入れる大沢先輩――



二人の先輩に茶化されて、困っているサトル君だけど――



『奈央。あのな――。』



これも、先輩達の愛情表現の一つなんだよって、聖人があたしの耳元でこっそり教えてくれた。

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