夢負人??
真佐美に何も言葉をかけてやれなかった事を深く後悔した裕斗。しかしそれ以上に怒りを感じていた。
「どういうつもりですか?」
「何が」
裕斗の震える拳に気づいていても夢路は平然としている。
「あれが妖夢の仕業じゃない?だったら何だって言うんですか!」
「誰が妖夢のじゃないなんて言った」
カチリと音を立て揺らめく火に煙草の先をつけた。吐かれた煙が宙をさまよっている。
「彼女に妖夢がついてないのは本当だ」
「だったら……!」
何故行かせたんだ、という言葉を呑み込んだ。解っていて自分も行かせてしまった事に躊躇ったからだ。
「おかしいと思わないか?」
主語のない話しに裕斗はあえて返事をしなかった。
「本来妖夢はそいつ個人につく。しかし彼女には妖夢の気配はない」
「でも田上の時は……」
「あれはお前が田上の異変に気づいていて同調したからだ」
同調。田上と裕斗の夢はリンクしていた。田上を救えたのもそれがあったからだ。
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