最後の審判 4
「ねぇ。あなたの家にはまだ着かないの?」理亜は、聖也に同じ質問を何度か繰り返した。 理亜は彼の家へ辿り着くことが、待遠しくてしかたがなかったのだ。
そこは、まるで彼女が生まれる前から定められていた落ち着き場所のような気がして彼女にはならなかった。
コスモスの野原を超え、雑木林を超え、小川が流れるクネクネとした小道を抜け、いい加減、理亜の足が疲れて棒のようになった頃、「あそこが僕の家だよ」と聖也が指差した。
それは畑の向こう側に黒々とそびえ立つ廃墟のような建物だった。
その建物の中に一歩入ると、崩れそうな壁一面、本棚で覆われ、その棚にはびっしりと本が詰まっていた。
その他には、家具らしい家具は何もなく、彼の言葉通りいかにも貧しいらしかった。
にもかかわらず、その家を理亜は人目見てすっかり気にいってしまった。
そして「あぁ。私はやっと自分の居場所をみつけた…」と安堵のため息をもらしていた。
聖也の暮らしぶりは、不思議なものだった。彼は働いているでもなく、それでいて生活に困った様子もなく、いつも何かしらのんびりと本を読んで過ごしていた。
聖也が理亜に聖書を読んで、いろいろな話を教えてくれる日もあった。
夕暮れには一緒に静かに祈り、そのように日々は全く平和と安らぎのうちに過ぎていった。 しかしある夜、聖也に異変がおきた。
そこは、まるで彼女が生まれる前から定められていた落ち着き場所のような気がして彼女にはならなかった。
コスモスの野原を超え、雑木林を超え、小川が流れるクネクネとした小道を抜け、いい加減、理亜の足が疲れて棒のようになった頃、「あそこが僕の家だよ」と聖也が指差した。
それは畑の向こう側に黒々とそびえ立つ廃墟のような建物だった。
その建物の中に一歩入ると、崩れそうな壁一面、本棚で覆われ、その棚にはびっしりと本が詰まっていた。
その他には、家具らしい家具は何もなく、彼の言葉通りいかにも貧しいらしかった。
にもかかわらず、その家を理亜は人目見てすっかり気にいってしまった。
そして「あぁ。私はやっと自分の居場所をみつけた…」と安堵のため息をもらしていた。
聖也の暮らしぶりは、不思議なものだった。彼は働いているでもなく、それでいて生活に困った様子もなく、いつも何かしらのんびりと本を読んで過ごしていた。
聖也が理亜に聖書を読んで、いろいろな話を教えてくれる日もあった。
夕暮れには一緒に静かに祈り、そのように日々は全く平和と安らぎのうちに過ぎていった。 しかしある夜、聖也に異変がおきた。
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