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航宙機動部隊前史後編・7

[484]  まっかつ  2008-06-12投稿
ガニバサはフリースユニオン加盟六宙邦の一つ、ウガンポ宙邦の若き軍人だった。
既に大戦に突入していた銀河元号一五二七年に士官学校を卒業後、折からの深刻な人手不足の為に、直ぐに最前線の艦隊勤務に回されている。
ネオフリートを建軍した時彼はまだ三0才。
階級もようやく少将になったばかりだった。
又、ネオフリート自体も創立当初はギャームリーグから鹵獲した艦船三00隻・兵員二万人と言う実にささやかな陣容に過ぎなかった。

だが、彼はこのミニ艦隊を率いた初陣で、五00隻規模のギャームリーグ機動部隊と激突し、撃沈一七・大中小破三二・捕獲一からなる戦績を挙げて、敵見方にその名を轟かせる。
反面、自軍は四三隻を失い、決して勝利とは呼べる代物では無かったのだが、これまでの両軍の戦闘艦艇同士の戦いに比べれば、異例の善戦と称すべき内容だったのだ。
フリースユニオン上層部にその戦略と才能をようやく認められたガニバサは中将に昇進し、今度は千隻規模の艦艇を揃えて《スーパーマジノ》線に進出した。
この要塞線を巡る果てしない攻防戦でガニバサは三ヶ月の間に四00隻以上を撃ち減らされながらも、ギャームリーグの正規の軍艦一七七隻を撃沈し、他に撃破四九五・鹵獲三他の功績を挙げている。
ギャームリーグ機動部隊は今だ銀河最強であり、質で圧倒する彼等に互角とは言えないまでもどうにか渡り会える実力を示せるのは、フリースユニオンではガニバサと彼のネオフリートしか無い事がいよいよ明らかになった。

翌一五三七年、ガニバサはギャームリーグに対抗出来る新型機動部隊建設の総責任者の地位に正式に任命され、同時に念願の白紙委任状を手に入れる。
彼はその権限をフルに活用した。
まず、何と敵方のギャームリーグの人材をブレーンや幹部に迎えると言う離れ業を演じて見せた。
長年の戦争で当然ながらギャームリーグ陣営も疲弊しており、捕虜だけではなく裏切り・投降・亡命者は少なく無かったのだ。
ガニバサは彼等の献策に従い、ギャームリーグ法式を徹底的に研究・導入を図る。
そして、今までの慣例を破って、必要な人員は宙邦間の壁を越えて精力的に集めた。
これも一早く三宙邦の軍人機構の統合を果たしたギャームリーグを参考にした措置であった。
こうしてガニバサは着々と準備を整えていった。

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