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月の葉書2部5−7

[434]  速見  2008-06-13投稿



「……ィ……ィ」





誰かが必死になって声をかけている。どうやら泣いているみたいだった

ナラビ)フライ!

何とナラビがフライを呼んでいたのだ

ナラビ)何で僕を……助けたの!?

何とフライがナラビを庇って瓦礫の下敷きになっていたのだ!

酷い事にフライの体の8割が瓦礫に潰されていた。残っているのは頭と右手だけと、なっていた


フライ)何でだろう?君にやられて指一本動かなかったのに

フライは、血を吐きながらも笑って答える

ナラビ)待ってて、すぐに消滅の力で瓦礫を消すから!

そう言ってナラビが両手を合せると

フライ)いや、もう僕は駄目だ。潰れた体の感覚が無いからもう無意味だよ。それにここはもうすぐ崩れる………君は先に行ってよ

ナラビ)君を見捨てれるわけないよ

ナラビの目に涙が覆う

フライ)僕はもう満足したよ。君のお陰で心まで闇になっていた僕は救われたよ

ナラビ)そっそんな最期みたいな事言わないでよ!

ナラビはとうとう泣き出してしまった

フライ)僕の為に泣いてくれるのかい?

フライは軽く笑窪を出して笑うと、空間が大きく崩れ始めた!!本格的に崩れるみたいだ


フライ)さぁ早く!!ここから離れて!!

フライは残った右腕でナラビを払いのけた

フライの殺意のない真剣なまなざしをみたナラビは……

ナラビ)ゴメン!!

ナラビは、涙を拭きながらその空間を後にした



フライ)…………が………う………ビ

フライは、ナラビの後ろ姿を見て何かを言ったが、崩れ逝く騒音で聞き取れなかった





しかしナラビは、フライが言った事は分っていた







『ありがとう。ナラビ』





ナラビは大粒の涙を零しながらその場から走り去った






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