月の葉書2部5−7
「……ィ……ィ」
誰かが必死になって声をかけている。どうやら泣いているみたいだった
ナラビ)フライ!
何とナラビがフライを呼んでいたのだ
ナラビ)何で僕を……助けたの!?
何とフライがナラビを庇って瓦礫の下敷きになっていたのだ!
酷い事にフライの体の8割が瓦礫に潰されていた。残っているのは頭と右手だけと、なっていた
フライ)何でだろう?君にやられて指一本動かなかったのに
フライは、血を吐きながらも笑って答える
ナラビ)待ってて、すぐに消滅の力で瓦礫を消すから!
そう言ってナラビが両手を合せると
フライ)いや、もう僕は駄目だ。潰れた体の感覚が無いからもう無意味だよ。それにここはもうすぐ崩れる………君は先に行ってよ
ナラビ)君を見捨てれるわけないよ
ナラビの目に涙が覆う
フライ)僕はもう満足したよ。君のお陰で心まで闇になっていた僕は救われたよ
ナラビ)そっそんな最期みたいな事言わないでよ!
ナラビはとうとう泣き出してしまった
フライ)僕の為に泣いてくれるのかい?
フライは軽く笑窪を出して笑うと、空間が大きく崩れ始めた!!本格的に崩れるみたいだ
フライ)さぁ早く!!ここから離れて!!
フライは残った右腕でナラビを払いのけた
フライの殺意のない真剣なまなざしをみたナラビは……
ナラビ)ゴメン!!
ナラビは、涙を拭きながらその空間を後にした
フライ)…………が………う………ビ
フライは、ナラビの後ろ姿を見て何かを言ったが、崩れ逝く騒音で聞き取れなかった
しかしナラビは、フライが言った事は分っていた
『ありがとう。ナラビ』
ナラビは大粒の涙を零しながらその場から走り去った
感想
感想はありません。