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ノイズ-NOISE-?

[508]  紀夜  2008-06-14投稿
 犯人にでさえ、声を荒げたことはないというのに、一体どうしたというのか。
 たずねられたメレディスはこくりとうなずくと、その大きな瞳でウィルをじっと見つめ、人差し指を自分の口の前に持っていった。 また、ドアを隔てた部屋の声に集中する。
「こんなクズの街の奴ら全員死んじまえばいいからだよ!」
例の不審者の声だ。
(クズ・・・・!?)

 ロードタウンは、この国が戦争をしていたころ、国家がつれてきた他国の奴隷達が集まった街である。そのため戦後も、敵の国の者としてまわりからひどく差別を受け、蔑まされる生活を送っていた。
 その差別は今もなお、消えることをやめぬろうそくの炎のように、貪欲にかすかに、灯っているのである。
 ハリソン警部がこのロードタウンで生まれ育ってきたことをウィルはよく知っていた。彼の怒りが手に取るようにわかった。

 ウィルの哀しい記憶達が走馬灯のようにかけめぐる。

「メレディス、あいつは、あの男はいったい何をしでかしたんだ・・・・?」


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