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セツナイの唄

[413]  アイ  2008-06-14投稿
大人になるのが、変わるということなら。

大人になんて、なりたくなかった……。

時間よ、どうか。

私の大切な友達を連れて行かないで……。

夢を語り合ったあの日々は、砕けた硝子の破片となって、深くこの胸に突き刺さる。

変わってしまったのはあなた?

それとも、私の方なのかな……。

地味でよかったよ。

ささいな喜びで構わなかった。

ただ、ただずっと、あのうっとりと夢見た時間に、戻りたかっただけ。

だけど、あなたは。

この上なく素敵で、賢かったあなたは。

くだらない周りの目に惑わされて、くだらないプライドをまとったね。

服が、化粧が。

一体なんだっていうの?

その下のあなたは。

それらの下に埋もれたあなたは、本当に昔のあなたなの?

無理しなくていいのに。

私は、あなたのままが好きだった。

だけど、あなたは。

大好きなあなたは――。





……私はそっちへは行けないよ。

ごめんね。

私はやっぱり、私を捨てられないから。

でも、道は別れても、いつかまた会えるよね?

もう前みたいな夢は語れないけど、子供じみた想像も終わりにするけど。

今度会った時は、お互い、笑顔で。

昔とは違った、少しだけ現実の色を帯びた、素敵な夢の話をしよう……。

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