携帯小説!(PC版)

本望

[168]  ふく  2008-06-16投稿
私の息が途絶えるとき

あなたの腕に抱かれて最後のときを迎えられるなら
それが本望

かつて何よりも誰よりも愛したあなたへの苦しい程の未練
その全てが報われる
また私は果てしなく大きな幸せの中で眠りにつける
あなたの匂いに包まれながら
あなたの暖かい腕に寄り添いながら
あなたの胸の鼓動を聴きながら

勘違いでもいい
そこにあるものが二人の愛でなくても
私だけの想いでも
そのときだけは思わせて
あなたに愛されていたと
そうやって眠らせて

頬を流れる涙にあなたの手が触れなくてもそれがあなたに見せる最後の涙だと
呆れずに優しく笑って

無理な願いでも
叶わぬ想いでも
いつかは救い出してくれると信じて私はただ毎日を懸命に生きている

必死にあなたへと手を伸ばして生きている

幻想を抱き生き急いで
あなたに会いたくて
もう駄目だと思うとき
あなたを想う

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