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彼女の右手にある秘密?

[152]  後ろからギュッと☆  2008-06-17投稿
ちょうど一年前、付き合いはじめの時、僕らは美貴の誕生日を祝うために神戸の宿をとり小旅行を企画していた。
その前日のバイト中、ポケットに忍ばしていた携帯が鳴った。
「………じいちゃんが死んだ。」と親父の声。
長い喫煙歴のせいで肺を患っていたのは知っていたがこんなに急に…。
お祝いムードは一変、旅行は、取り止めになった。当然といえば当然だがバイトをきりあげて車で急遽、実家の三重に帰ることになった僕に美貴は、「きっと私の誕生日はこれから何回もあなたと迎えられる。でも今は、あなたのことを家族が待ってる。だから早く行ってあげて欲しい。」
その時、僕は彼女の胸で泣いた。
ああいう時に自分がどんな行動をとれば良いのかがわかるほど僕にはまだ死に対する経験がなかった。
電話口で初めて弱音を吐き、むせび泣く親父の声、無言で帰宅する祖父の無念さ。
頭の中で混在していた様々な不安で押し潰されそうな瞬一にとって、美貴のその優しさや思いやりだけで充分だった。
とめどなく流れ落ちる涙は、僕のコントロールを無視し続けた。

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