如月加夜と他ふたり
炭水化物を抜くと痩せるらしい。『あるある大辞典』でたしかそう言っていたと思う。たまさか観ていた番組であるから、つい最近まですっかり忘れていたのだが、今回おもい出したのは他でもない。私がふっくらし始めたからなのである。そう、何か、お腹がふくよかになった。顎の下もつまめる様になった。頬には重力を感じ、鏡には本能的に近寄らなくもなった。炭水化物を抜こうと決心する。そう心に決めれば早いもので、冷蔵庫の中身を改めてみる事にした。ラーメンのパックにサンドイッチ・焼おにぎり・冷凍ピラフ等が私の視界に入り込む。これらをゴミ箱に放り込まねばならないと思うと少し悲しかった。悲しかったが実行に移さねばならなかった。私はまず冷凍ピラフを掴んだ。凍った袋を触るとひんやりとする。ひんやりと言えば、この頃の天気は夏のようだと感じた。昼間は暑く、夕方は微かに涼しくなる。冷凍ピラフを掴みながら外を見ると、ちょうど夕方であった。耳を澄ませば夕飯を作る音が近所から聞こえてくる。腹が空いた。ふと気付くと、私は夕飯を握っている。フライパンに油を挽くだけで直ぐに食べられる未来食品だ。勿論つくって食べた。何かを決意した筈だったが、良く思い出せなかった。美味しかった。冒頭に戻る。
感想
- 995: あはははははははははは。つい笑ってしまったよ。 [2011-01-16]
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