ELEMENTAL BLOOD (14)
「ありがとうございます」
レーヴェは礼を言った。紅い髪の少女は街道の先を指差した。ということはこっちの道であっていたということになる。レーヴェ達は王都が北にあるということを頼りに歩いてきた。なので、村か都市で情報を集めなければならなかった。
「フリード」
そう少女が言うといきなり精霊が大きなドラゴンに形を変えた。それに乗り少女は指差した方向に飛んでいった。
風の精霊フリード。空中戦に向いている精霊だ。サルナン人との争いでは真っ先にかりだされる。今までサルナン人とは民を巻き込む大きな争いはなかったが武芸者同士では何度か戦いがあったそうだ。それはまだ戦争ではなかったが、いつそうなってもおかしくないのが今の状況だった。
アース人の思考は、強く、強大な力をもつ天上界の住人を恐れている。
サルナン人の思考は、弱い地上の住人を殲滅し、自分達だけの世界をつくろうとしている。
「行っちゃったわね」
「そうですね」
レーヴェはなんだか嫌な予感がしていた。少女の顔が頭から離れなかった。
【村〜ロゼンタ〜】
「ば、化け物が帰ってきやがった」
若い男が叫んだ。その先にいるのは紅い髪の少女だった。
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