TUBAME
「何故僕は生きているのだろう…?」ある夜たまたま用事で帰りの遅くなった三上信はいつもの近道である廃ビルの中を通って帰ろうとしたが、「?なんだあんな物、ここにあったっけ??」 誰もいないはずの場所になぜか大量の本がある。その一つを信は手に取った。「何だろう…本…だよな…でもこんな文字見たことないぞ…?」 それに書かれていたのは、誰も見たことのない文字だった。「あれ?この部分だけ色が違う…」 それは赤い文字だった。不意に「誰だ!!」 と言う叫び声が後ろからした。びくっと信は跳び上がりそうになった。「貴様!その中を見たのか!?」 信は恐る恐る振り返り「!?え…!?」ドサっと本を落としてしまった。信の瞳に映っていたのは右手に血に染まった槍を持った老紳士、しかしその老紳士は背中に真っ赤な羽が生えていた。「あ…あぁ……」「貴様…これを読んでしまったのか…」ゆっくりと本を拾い上げた老紳士は「残念だ…君の人生はここで終わる」手に持った槍を信目掛けて突き出し、信の体を貫いた。信は何が起きたのか理解ができなかったが死というものは、はっきりと感じた。(僕は死ぬのか……)薄れゆく意識の中、目の前に何かが見えた。(な…んだ……?鳥…?)「!?これは!?まさか!?や、やめろ!くる…」言い切る前に、ズバッ!っとその何かが老紳士を貫いた。そして信の穴の開いた体に向かって勢いよく飛んで来る。(つ…ば……め………?)そして信の体の中に入って来た、しかし信の意識はすでになかった。
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